蝶のキュビズム

あまり知られてないことかもしれないけれど、ほとんどの蝶は翅を閉じて木などに留まります(ちなみに蛾の仲間は翅をひろげてとまる、例外はもちろんあるのだけれど)。
もう少し知られてないことかもしれないけど多くの蝶はカラフルな面と地味な面の両面の翅をもっています。
なぜかというと、木の幹等で休む時には翅を閉じて地味(茶褐色)な面をみせて鳥等の捕食者から見つかりにくくする。
それだけだと今度は配偶者にみつけてもらえない。それで翅をひろげた時の派手なカラフルな面でもって異性をひきつけるわけです。面白いですよね。


一般的な蝶の標本では、背中側の派手な面だけしか見えません。お腹側の面は地味なことが多いのでわざわざみせるようなものではないのかもしれないけれど、やっぱり両面でもって蝶という存在が立体的に見えてくる気がします。人間でもその人の良い面だけしか見えないと、なかなか深味というか、人格というものがうまく立ち上がってこないですよね。

だからこそポジとネガを交互にヒラヒラと反転させながら飛んでいる蝶をみると、複雑に乱反射をする宝石をみているようで思わず見入ってしまうのです。




Photo;Cubism For Biota 2018
©KATAYAMA Yoshiyuki